銚子ヶ峰~願教寺山周回 2026.04.18~19

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【一般山行】銚子ヶ峰(1810m 三等△銚子峯)~願教寺山(1691m 三等△願教寺山)周回  SK

 大垣山岳協会では「美濃百山」を選定しており、それを制覇していくのが会員の励みになっている。
A級は入門者向け、B級は中級者向け、C級にはヤブ漕ぎや残雪期狙いの道なき山が多く含まれている。そんな山が40山もあるところが、当会の個性を表してもいる。
【A級(30山)】
烏帽子岳(鈴鹿)、池田山、鍋倉山、貝月山、舟伏山、妙法ケ岳、塔ノ倉、飯盛山、魚金山、釜ケ谷山、冠山、大白木山、高賀山、蕪山、瓢ヶ岳、今渕ケ岳、天王山、相戸岳、北山、見当山、富士見台、屏風山(瑞浪)、三森山、納古山、二ツ森山、笠置山、見行山、寒陽気山、尾城山、雨乞棚山
【B級(30山)】
養老山、笙ケ岳、伊吹山、御座峰、鎗ケ先、虎子山、三国岳(鈴鹿)、小島山、金糞岳、小津権現山、ブンゲン、岩岳、三周ケ岳、金草岳、能郷白山、刈安山、高屋山、日永岳、クラソ明神、銚子ケ峰、鷲ケ岳、大日岳、三尾山、烏帽子岳(明宝)、大洞山、奥三界山(岳)、三界山、南沢山、高時山、夕森山
【C級(40山)】
土蔵岳、三国岳、湧谷山、蕎麦粒山、天狗山、ミノマタ、五蛇池山、花房山、タンポ、雷倉、高丸、烏帽子山、美濃俣丸、笹ケ峰、不動山、千回沢山、釈迦嶺、若丸山、杉倉、上谷山、磯倉、蝿帽子嶺、屏風山、左門岳、平家岳、明神山、
ドウの天井、滝波山、野伏ケ岳、願教寺山、薙刀山、小白山、芦倉山、丸山、恵那山、焼山、ロクロ天井、男埵山、小秀山、井出小路山

 そんなC級の山のひとつ、願教寺山(1691m)は、郡上市白鳥町石徹白から入山する白山美濃禅定道最初のピーク銚子ヶ峰(1810m)と、その南、日本300名山野伏ケ岳(1674m)の間に位置する、厳しいヤブと豪雪の山である。
石徹白林道の奥から渡渉して往復という手もあるが、渡渉の失敗のリスクもあるし、ヤブ漕ぎを下りだけにするため、白山美濃禅定道の最初のピーク・銚子ヶ峰の先の1,784mピークから、願教寺山~野伏ヶ岳方向の稜線に入るのが一般的になっている。
登山適期は、石徹白の白山中居神社から登山口までつなぐ切り立った崖と渓流に挟まれた大杉林道が3月下旬までは、雪崩・落石のリスクが高いので、4月に入り残雪が残るうち、つまり4月第2週から末くらいとされている。私も、このルートを6年前の2020年4月第2週に、日帰りで登っている。

<ルート図>
  • 日程:2026年4月18日(土)~19日(日) 天候:晴
  • 参加者:SK(L・記)、NY(SL)、AS、IG、KM、KT、TK、MY
  • 行程:(―:車、…:徒歩)
    <18日> 中ノ江駐車場(集合)5:30―石徹白林道(駐車地点)…南縦走路登山口9:30~9:35…石徹白大杉10:00…神鳩ノ宮避難小屋12:30~12:45…丸山手前1,630mピーク14:30~14:40…(途中水くみ)…神鳩ノ宮避難小屋15:40(小屋泊)
    <19日> 小屋5:20…銚子ヶ峰6:50~7:00…1,784mピーク7:25…願教寺山山頂11:10…下降点11:45…最初の渡渉点15:00…笠羽谷手前の渡渉点16:35…廃林道16:40…登山口17:30~17:40…駐車点18:30-中ノ江駐車場(解散)20:55
  • 地理院地図2.5万図:二ノ峰、願教寺山

 今回も、この時期をねらってということで、4月第3週の週末に同じルートで、残雪が少なそうなので万全を期して、神鳩ノ宮避難小屋1泊2日で計画。
雪が少ないうえ、前週の10日(金)に大雨が降ったので、渡渉も心配で、11日(土)銚子ヶ峰登山道(=白山美濃禅定道)の、神鳩ノ宮避難小屋の少し下まで偵察に行ってきた。
県境の稜線は、何とか雪が繋がり、石徹白林道も3分の1くらいまでは来るまで入れることを確認して、本番に備えた。
そして、18日(土)メンバー8名で、8:20 白山中居神社から石徹白林道を2㎞ほど入った地点に駐車し、登山開始。

その先で、林道は、大岩が落ちていたりするので、ヘルメットを装着して歩く。

9:35 白山登山道入口(白山美濃禅定道/南縦走路)から入山。
石段を登り、10:00 樹齢1800年の石徹白の大杉の前を通過。 

尾根取り付きまで急登すると、願教寺山など福井県境の山々が見えてきた。
前週の下見では咲いていなかった白いタムシバが、満開になっている。

白山を開山した泰澄の母が、息子を追いかけて山に入り難儀をしたというおたけり坂の急登。
ギブアップ気味のメンバーも出て、こまめに休みを入れて登る。

12:30 予定直により30分ほど遅れて神鳩ノ宮避難小屋に到着。
今シーズン、まだ使用されていないのか、入口には板がはめたままだった。
簡単に昼食をとった後、時間があるので、これも美濃百山C級で、銚子ヶ峰と反対の東側の尾根にある丸山(1,786m)をめざすことにする。

けっこう時間がかかってしまい、手前の1,630mピークに着いたのが、14:35。
往復して戻ると17:00頃になってしまいそうなので、今回は偵察ということで、ここまでとする。

別山(2,399m)や三ノ峰(2,128m)がしっかり眺められ、次回チャレンジを心に誓った人も多かったはず。
小屋に戻って、コロナ前以後、個食が定着していたけれど、久しぶりに大きな鍋で豚汁を作ってみんなで食べる。「同じ鍋の豚汁」、うまかったです。

2日目の19日。いよいよ願教寺山をめざす朝、5:20 神鳩ノ宮避難小屋を出発。

しばらく登ると、東の空、穂高連峰と乗鞍岳の間から朝日が昇る。

母御石を過ぎ、雪も消えてすっかり姿を表したササ原の登山道を銚子ヶ峰に向けて最後のひと登り。

6:50 銚子ヶ峰山頂(1,810m)に立つ。背後は別山と三ノ峰。

さて、ここからが本番。銚子ヶ峰を後に、1,784mピークをめざす。

1,784mピークで、白山美濃禅定道を外れ、チチマザサを突っ切って、岐阜・福井県境を南に入る。
左が、今回の残雪の状況。右が、前回2020年の状況。比較すると、雪の少なさが顕しいことが歴然としている。

願教寺までの稜線は、福井県側が急斜面、岐阜県側が比較的緩やかな斜面の非対称の山稜。
ルート取りは、福井県側の急斜面すれすれの岐阜県側を歩いていくのがポイント。

濃いヤブが出ている部分もけっこうあり、途中からササのはね返りに効果的なヘルメットを被りヤブを漕いでいく。

けっこう登り返しに手間取り、山頂手前の下山ポイントで体力消耗気味の一人に待機していてもらい、ザックを置いて願教寺山頂を往復する。

11:10 念願の願教寺山山頂に立つ。三段になった一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰の向こうに白山も顔をのぞかせてくれた。
分岐点まで戻り、軽く昼食を取り、11:45 下山開始。

斜面は、ヤブが露出しているというより、ヤブの中にところどころ雪が残っている程度の状態。
地形図1,405mポイントのある尾根に向けてヤブをかき分け大下りする。アイゼンにササが絡まってピッチが上がらない。

積雪のしっかり残る場所も少しはあった。
しかし、あいまいな地形で、1,405mポイントあたりから始まる明確な尾根まで、ルート取りが難しい。
間違えて登り返すのは体力を消耗するので、細かく立ち止まり、GPSで現在位置を確かめ、地図で方向を見定め進む。時間はかかるが、読図のいい勉強になった。
14:15頃 1,405mポイントを通過。だいぶん時間がかかっている。

尾根を降りきると、小規模な河岸段丘のような場所に出て、しばらく崖の上を下り、川岸に出られる場所を探し渡渉。
けっこう水量が多かったが、幸いAさんが補助ロープを持参していてくれ、何とか安全に渡渉できた。15:00。

対岸の河岸段丘上の上をまたヤブ漕ぎしながら進み、下降点をさがす。
急斜面だけれど、何とか、下降できそうな斜面を見つけ、尻もちをつきつつ、ササや枝につかまって下降。
こういう場所、疲れていると怪我などしがちなので、メンバーに声を掛けつつ慎重に下る。
再び川岸に降り立ち、左岸に向け、今度は、ロープは出さず、えいやと、思い切って渡渉。
このようなことをやっているうちにどんどん時間が経過。
16:35 廃林道に入る古いコンクリートの橋に向け、最後の渡渉。

赤線が、2020年のルート、オレンジ線が今回のルート。
前回は河岸段丘上にも雪があり、岸に降りる斜面も雪があったから、どこでも降りられたが、今回は雪がないので下降ポイントも限られ、難易度が高く、体力も消耗した。

16:35 廃林道に入るコンクリートの橋を渡る。

荒れた廃林道を約1時間歩き、17:35 登山口まで戻り、さらに約1時間歩いて 18:30駐車地点に。
リーダーとしては、日没までに無事に戻れ、やれやれひと安心。
この時期、なかなか目にできない白山山地や飛騨山脈の残雪の高峰を稜線のあちこちから眺めるとともに、ヤブ漕ぎ、ルートファインディング、渡渉とお腹いっぱいというほどの冒険的要素も詰まった、山行だった。
そんなC級の山を40山チャレンジしていくのが、大垣山岳協会らしさといえましょう。
ただし、地球温暖化の中で、このようなスタイルの山行がいつまで続けられるのか。だからこそ一回一回が貴重な体験でもある。